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おもしろおかしや旅のコラム 


 icon 幻の教会 ― イギリス



イングランド南東部のライ村を訪れるバスの車窓で、不思議な光景を目にした。

早朝出発の為か、隣席の友人は寝息を立てぐっすりと寝入っている。
12月のイギリスの景色はどこか寂しげである。
木々の葉はとっくに散り、家々は茶褐色で歴史の重みを感じさせ、目に映る光景はどimageこもセピア色である。
そんな古色然とした光景を、飽きもせず眺め、一人感傷に耽っていた。

目の前にはどこまでも果てしなく続く、荒れ果てた田園風景。
草木は茶褐色で、寒々しいほど荒涼とした風景であった。

そこに突然、自分の目を疑うような信じられない光景が飛び込んできた。
私の心臓はその瞬間突然大きく鼓動し、全身の筋肉が硬直するのを感じた。

そこには古い小さな教会があった。

しかし、驚いたことにその教会の周りには色とりどりの花々が咲き乱れ、緑は青々と茂り、 教会を照らす眩いばかりの一陣の光・・・。

セピア色の光景が、突然彩色画のように色とりどりの色彩に覆われ、まるで夢の中の光景のようであった。image

その幻想的なまでの美しさに、隣席で眠ている友人を発作的に揺り起こした。

『ちょっと起きて!!すごく綺麗だから!!』

『うぅ・・・ん・・・何?・・・』

友人は心地良い眠りを突然妨げられ、不機嫌そうに視点の合わない目で私に言った。

『いいから見て!!すごいんだって!!ほら見て外!!』

今一度車窓に目を向けると、
そこには・・・・・・
先ほどと変わらぬ荒涼とした風景が広がっていただけであった。

車窓から後ろに目を向けてみたが、そこには建物ひとつとして見当たらず、先ほどまで見慣れた荒れ果てた丘陵が見渡す限り続いているだけであった。

帰路も同様の道を通ったので、決して見落とすまいと一瞬たりとも車窓から目を離すことはなかった。
しかし、二度とあの光景を見ることはなかったのである。

私が見たあの景色は、いったいなんだったんだろう?
後から思い返せば、12月の英国で色とりどりの花々が咲いているわけがないし、草木が青々と茂っているなんてこともありえない話である。
鉛色でどんよりとした空から一陣の光が差し込むこともありえるのだろうか?

しかし、私は確かに見た。
その光景を目にした瞬間、ふと脳裏に浮かんだのは、『天国』と言う二文字。
私はクリスチャンではない。
しかし、教会や聖堂を訪れたときはそれなりに敬意を払っている。
そして何故か幼い頃より十字架を身につけ、聖地を訪れれば、その感動に自然に涙することもある。

クリスチャン的に言えば、これは『神の元へ私を導いていたのか?!』
これは十数年も前の出来事であるが、最近何故か『教会』へ通いたいという気持ちが日増しに強くなってきた。
そして、その思いが強くなればなるほど、あのときの光景がありありと目の前に浮かんでくるのであった。

教訓:天国がこの世に存在するのなら、きっと私が見た光景のように違いない。


 

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