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おもしろおかしや旅のコラム 


 icon あんたに言われても・・・・。 ― イギリス



イギリスに渡って4週間が過ぎようとしたある夜の出来事であった。

その日もいつものように冷たいベットに横になり、寒さに震えながら眠りについた。
イギリスの冬は厳しい。
古い家屋は隙間風だらけで、十分な暖房設備もない。
しかし、疲れた体は眠りを求め、いつの間に深い眠りへと落ちて行った。

どのくらい時間がたったのだろうか。
突然、その眠りを妨げる ような得たいの知れない衝撃が全身を走った!
体はまるで全身が硬直したかの如く、全く身動きすることすら出来ない。

そして、得体の知れない背中に感じる不快な違和感。
それは背中から全身を締め付けられるような、不可思議な圧迫感であった。

そして次の瞬間、ふと我に返った。

――だ、だれかが私の背中に抱きついてる!!

全身を振り絞ってもがこうとするが、体は微動だもしない。
――誰か助けて〜〜!!やめて〜〜!!
私は心の中で、声にならない叫びをあげた。
もがけばもがくほど、背中にへばりつくように全身を締め付けている“何か”の力がより強くなる。
そして、その“何か”が突然耳元で、 まるで地獄から這い出た魔物のようなしゃがれた声で 私にささやいた。

「Lovely・・・・」

明らかに年老いた老人の声だった。
その瞬間、まるで冷水を浴びた如く肌が粟立ち、もがくことさえ一瞬忘れ、全身に恐怖と衝撃が走った。

そして次の瞬間、ふと頭によぎったのは、

――ぎょえ〜〜!!
え、英語・・・しゃべってる・・このじいさん・・・う、うそだ−


英語を話していると言う事が、いっそう現実味を帯びたリアルな事実として恐怖感をいっそう深くした。

金縛りの経験や霊の姿を見ることはしばしばあったものの、声と言うもの今まで聴いた経験が無かった。
まして、異国の言葉を話す老人の霊など想像すらしたことがない。

声にならない叫び声と共に、混乱した頭の中で、「どうすればこの状況を打破できるのか」思索した。
もがこうにも身動きが取れない。
恐る恐る目をそっと開けてみた。
薄いカーテンから漏れてくる外灯の明かりが部屋をうっすらと照らしている。
いつもとなんら変わらぬ部屋があるだけだった。
確かに自分は目覚めている。
この背中から抱きつかれる感覚は、決して夢ではない。

――Please,Help Me!!Please,Help me!!・・・・・・
藁にもすがるような気持ちで、声にならない言葉を念じた。

どれだけ時間がたったのだろうか。
突然体がすっと軽くなり、背中を締め付けていた“老人”からやっと解放され、自由の身になったのを感じた。
そして、それと同時にベットから身を起こし、部屋の隅に急いで駆け寄り、部屋の明かりをつけた。

通常は、明かりは眠りの妨げになる。
しかし、恐怖から逃れる術は“闇”から逃れること、それしかなかった。
そして、 霊除けの効果があるといわれる、「米、小豆、塩」が入った小さなアクセサリー袋を取り出して枕の下に置いた。
これは以前、今は亡きあの霊能者「宜保愛子」がTVで紹介していて、ヨーロッパのように史跡が多い地に出向くのに、変な“お土産”を持って帰らないようにと用意してきたものだった。

明け方まで自分が経験した恐怖に震え、悶々とした時を過ごしたが、眠りの欲求には逆らえず、いつの間に眠りについた。

翌朝、家の女主人にその出来事を話すと、
「この家に前住んでいたのはおばあさんで、亡くなったのは別の部屋だったわ」と記憶をまさぐるかのように視線を上に向け言った。
「その前はちょっとわからないわね、何せ19世紀にこの家は建てられたから」
結局、あの爺さんの正体は謎のままであった。
そして、あの霊除けのお守りも、どこへ行くにも手放すことはなかった。

その後、イギリス国内でもヨーロッパを旅をしたときも、何故かよく爺さんに妙に好かれるのだった。
フランスでは、いきなり70過ぎのイタリア人の爺さんに手にキスをされ「プリティ〜♪」と連発されるし、ナンパされるのも爺さんが多い。
これは何かの因縁なのか・・・。
しかし、どうせ言われるなら「若い男]に言われたい〜〜!! (。>0<。)ビェェン

教訓:幽霊はバイリンガルではない・・・。


 

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