爆走ばあさん ― フランス(ペリゴール・ケルシー)
聖地
「ロカマドール」
へ向かう道中のことだ。
順調に目的地に向かっていると思われた矢先、どこで地図を読み違えたのか、
道に迷ってしまった 。
路肩に車を停めて地図片手に思案していると、前方の路肩に他の車が停車したので、
ラッキ〜とばかりに早速その車に向かった。
ドライバーは60歳はとうに過ぎていると思われる白髪のおばあさん
で、
「道に迷った。ロカマドールへはどう行けばいいか?」と尋ねると、
「自分はツゥールーズへ行くからロカマドールはその途中だからついて来い」
と頼もしいお言葉が返ってきた。
早速車に戻って、おばあさんの車のすぐ後方へ自分の車両を移動した。
おばあさんは車の横に立って、のんびりとポットに入れた飲み物を飲んでいる。
しばらくするとポットを助手席に戻し、大きく背伸びをして、運転席に乗り込んだ。
いよいよ出発だ!と思ったとたん車はすごい発進音と共に動き出した。
「よっしゃ!ついて行くよ!」とばかりこちらも車を発進させる。
20km・・40km・・・60km・・・80kmと
前方の車に追従するためにこちらの車もスピードをあげる。
前方の車はどんどんスピードをあげている。
100km・・・120km・・・130km・・・140km
・
・・うっ・・・おばあさんの車を見失った!
アクセルを思いっきり踏む。
150km・・・155km・・・160km
、
やっとおばあさんの車が前方に小さく確認できた。
しかし、次の瞬間、また視界から遠ざかってしまった。
165km・・・170km・・
・
175km!!
またおばあさんの車が視界に入ってきたが、またもや瞬く間に遠のいてしまった。
ここは高速道路では決してない。
一般道なのだ!
175kmで追いつけないと言うことは、
いったい何キロで走っているのだろう?!
175kmで追従することをあきらめ、120kmまでスピードを落とし、のんびり走っていると、
左路肩におばあさんの車が停車していた。
そしてその横には
ニコニコとまんべんの笑みを浮かべた
おばあさんの姿があった。
車から降り、おばあさんの車に近づくと、
「そこの左の道をまっすぐ行くとロカマドール」だよ」と指を指して言った。
私は「メルシー!!」と何度もおばあさんにお礼を言い、教えられた道に車を走らせた。
もちろん、無事に目的地に到着することが出来た。
さすが「数々の有名ラリーストを輩出した国だけある。
そう、ここはモンテカルロラリーやツール・ド・コルスといった、舗装路ラリーの本場だったのだ。
TO リュック・ベッソン殿、
是非、あのおばあさんを主演にして、「TAXI」シリーズの続編を製作して欲しいと思います。
スタントも必要ありません。
彼女は一流のドライバーです。
私が保障します。
教訓:フランスの老若男女、骨の髄までスピード狂
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