このザ・アイ-The Eye-は、タイのホラー映画『アイ/The Eye』のハリウッド版リメイクである。
当初は中田秀夫監督、レネー・ゼルウィガー主演で予定されていたが、新たな制作会社、監督で引き継がれ、主演は「ジェシカ・アルバ」が抜擢された。
タイのホラーは日本的恐怖感と共通するものがあり、この「アイ/The Eye」公開以来、日本でもタイ製ホラーが大きく注目されるようになった。
暗くジメジメした映像とひたひたと迫り来る恐怖、良く練られたストーリーでホラー映画の秀作ともいえる作品であった。
このハリウッド版リメイク作はと言うと、やはりお国柄なのかどのアジア製リメイク作にもいえる事だが、映像はドライで明るい。
タイ版のザ・アイのヒロインは、障害者で構成されるアマチュアオーケストラの一員だったが、ハリウッド版ではプロのヴァイオニストと言う設定である。
よほど稼ぎがいいのか、ハイソな雰囲気に満ち溢れている。
盲目で一人暮らしなのに、不自然なほど完璧にコーディネートされたファッションに身を包ヒロイン「ジェシカ・アルバ」。
この作品は、「売れっ子ジェシカ・アルバを見せる映画」と言っても過言ではないだろう。
タイの暗くジメジメしたアパートの舞台から、ニューヨークの高級アパートに舞台を移し、暮らしぶりからも盲目だったという悲哀感は感じられない。
薄暗くて匂いが漂ってきそうだったタイのアパートのエレベーターや廊下に現れる幽霊達と違って、最新設備を誇る高級アパートに出没する幽霊では、恐怖の比較にもならない。
ミステリー風に真相を究明していくストーリーであるが、もうすでにタイ版で見知ってしまっているので、その辺の感動は皆無で、後半に近づくにつれ気分が盛り下がってしまった。
タイ版は未見と言った人やジェシカ・アルバのファンにはそれなりに楽しめる作品ではあるが、そうじゃない人は、随所に違和感を感じてしまうことだろう。
欧米人には受けるかもしれないが、やはりアジア人にはアジア特有の風土から来る恐怖感と言うのが一番だとつくづく感じた。
出来ることなら当初のプロジェクトである中田秀夫監督、レネー・ゼルウィガー主演で観て見たかったものである。
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