この作品はカンヌ映画祭でブーイングを浴びたということで話題になったが、なるほどそれも無理がないとつくづく感じた。
歴史をまじめに捉えている人から見れば、あまりにもふざけた演出であるし、ヒロインに王妃という品性の欠片も感じられなく、ただの「ヤンキー娘」であった。
乗りとしては、リース・ウィザースプーン主役のコメディ「キューティ・ブロンド」のように、女性の生き方にファッションを交えた様なストーリーである。
もちろんロココ時代の贅沢でコケテッシュなファッションは、見ていてとてもかわいいと女性なら誰でも感じるだろう。
そういった意味では目を楽しませてくれた。
しかし
、あまりにも感覚がアメリカ的で、アメリカやアジアなどならまだしも、伝統を重んじるヨーロッパの人々の目には「ふざけた映画」としか写らないことであろう。
「キューティ・ブロンド」は私的にも好きな作品だが、時代は現代ではなく、エレガントが時代の本髄18世紀フランス。
この作品でもファッションの基調にピンクが目立ったが、ショッキングピンクのドレスはないだろう。
娼婦じゃあるまいし・・・。
そうは言っても数々の衣装は豪華で、女性なら誰もがあんな生活をしてみたいとあこがれるかも知れない。
まあ見ようによってはポップでキュートな映画とも言えるが、その辺は大きく評価が分かれることであろう。
そして、映画の雰囲気「ポップでキュート」と言う事なら、ヒロイン演じるキルステン・ダンストの雰囲気がそれとそぐわなくて、なぜか空回りしているような気がした。
容姿や雰囲気、しぐさなどどこをとって彼女は決して「かわいい」というタイプではない。
ここまで演出ではじけるのなら、もっと内面からキュートさが出てくるような女優を選ぶべきであったと思う。
正統的なストーリーで少女時代から、20代前半までを演じるのなら、彼女はある意味適役なのかもしれないが、この作品ではどこか中途半端な印象がぬぐえない。
しかし、ベルばらの影響なのか、他国に比べて少女趣味の女性が多い日本には意外と受けているようである。
史実とは別のアメリカン的な感覚を18世紀に再現したと思えば、それなりに楽しめる映画なのかも知れない。
この作品に向く人=少女趣味な人、コスチューム・プレイが好きな人、ベルバラの好きな人、ロココ時代のファッションが好きな人。
この作品に向かない人=正統派歴史映画が好きな人、ストーリ性を重視する人。
Homeへ(映画コーナーには、日本公開前の作品プレビュー多数あります。)
|