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映画
王の男

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ジャンル:歴史ドラマ
監督: イ・ジュニク
出演: カム・ウソン、 チョン・ジニョン、カン・ソンヨン、 イ・ジュンギ
公開:2006年 公開未定 韓国
評価:★★★★★

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icon 王の男−ストーリー

朝鮮時代燕山朝。
女性よりも美しい芸人仲間のコンギルを率いて漢陽(今のソウル)に上京して来たジャンセンは、王とその愛人であるノクスの関係を風刺した劇で街の名物となる。
しかし、王を茶化したその芝居を宮廷が知るところとなり、屈辱罪で芸人一行は捕まってしまう。
もう死しかないと観念したジャンセは、意を決して勝負に出る。
この芝居を王の前で上映し、王を「笑わせてみせる」と・・。

しかし、芸人達は王を目の前にして、極度の緊張の為、思うように劇は進行しない。
もはやこれまでかと思ったとき、おとなしいコンギルが気転を利かせ、ずるがしこい演技でその場をごまかす。
すると、王は耐え切れず、高らかに笑い出す。

王のお気に入りとなった彼らは、宮廷に住まい、王お抱えの宮廷芸人となる。
しかし、死から逃れた喜びもつかの間、彼らには新たな試練と悲劇が待ち受けていた。

 
icon 王の男−感想

この『王の男』は、今までの韓国映画とは一線を引いている。

王の男
王の男
王の男
王の男
王の男
王の男

中国映画の巨匠「チェン・カイコー」作品を髣髴させるその重圧感、映像そして演出は、決して今までの韓国映画には見られなかった完成度の高い作品であると言える。

セットも豪華である。
それまで私は朝鮮王朝の文化=質素・堅実だと考えていた。
朝鮮王朝を舞台にした作品と言うとTVドラマの「チャングムの誓い」「王の女」を始め多々あるが、中国宮廷物を見慣れた私には、なんとつつましく映り、中国の属国と言う歴史故なのか、それともTVドラマと言う低予算の関係なのか悩むところであった。

この作品で見られる美術は色彩に溢れ、目を楽しませてくれる。
それはどちらかと言うと朝鮮王朝と言うよりは中国宮廷に近いもので、燕山君の母あり王妃とその愛人達を描いた寸劇は京劇を彷彿され、チェン・カイコー監督の『さらば、わが愛/覇王別姫』を思い起こさせる。

歴史的に見ても、この作品の王『燕山君』の統治時代は、日本で言えば芸者・又は娼婦と同様の意味を持つ『妓生キーセン』と呼ばれる女達が数百人も宮廷で暮らし、遊興にうつつを抜かしていたらしいので、他の時代よりもある意味『快楽的で華やか』であったに違いない。

物語も宮廷を舞台にした史劇を主軸に、芸人達が見せる当時の大衆演劇や曲芸などを絡ませ、大いに楽しませてくれる。

宮廷を舞台にした韓国作品と言うと真っ先に思い起こすのが「チャングムの誓い」ではないだろうか。
主人公のチャングムの父は、この作品の王『燕山君』の母に賜薬(死薬)を飲ませ、死に至らしめたときそれを執行し見送る役人であった。
その為『燕山君』が王位に就いたとき、死に関わったものすべての命を奪うようにと御命が下り、果てはチャングムの父が捕らえられ殺されたのであった。
そんな風に見てみると、意外なところで繋がっており、映画で朝鮮王朝の歴史を理解する上でも興味深い。
ぜひこの『王の男』を観る前に『チャングムの誓い』を未見の方は、第一話と二話だけでも観ることをおすすめする。

そして、この『燕山君』はのちにクーデターにより王位を奪われ失脚するのだが、朝鮮王朝きっての暴君であり、数々のドラマや映画のモデルとなっている王である。
この映画の中で描かれている王は、何故かどこか憎みきれない。
黙っているときのシリアスな顔と、口を開いたときの『馬鹿っぷり』とのギャップが実におかしい。
王を演じる『チョン・ジニョン』の演技が実に印象的で、心の中で葛藤する二つの側面をうまく表現していた。

そして、芸人を支える芸人頭と言った役割のジャンセン演じる『カム・ウソン』の演技が実に光っていた。彼は以前韓国のB級ホラー『Rポイント』と言う作品で主演を演じていたが、彼の演技力が発揮できるような作品では無く、今回この作品で彼を改めて見て、『実に味のある良い役者』だと感じた。
劇中に見られる『綱渡り』も、自ら自宅の庭に綱をはり練習したそうで、その甲斐あって、素晴らしい曲芸を見せてくれる。
芸人仲間で美しいコンギルを愛しているのだが、決して言葉や行動には出さず、見守るように傍らで寄り添い、彼が窮地になると自ら命を張って守ると言う役柄を、見事に演じきっていた。
この作品を機に大きく飛躍していくことであろう。

女装の麗人とも言えるコンギルを演じるのは、新人イ・ジュンギ。
どちらかと言うと男らしい体躯の韓国俳優の中にあって、彼のようなタイプは珍しいと感じたが、実際は、テコンドー全国大会に出場したほど頑丈な体格をした健康的な韓国青年である。
身のこなしなど自然に女形を艶っぽく、自然に演じており、その将来性を期待できる新人俳優であった。
この美しいコンギルを取り巻いて、芸人仲間のジャンセン、そして王『燕山君』とその愛人ノクスの4人を取り巻く愛憎、陰謀を描いた作品であり、韓国では珍しい『ゲイ』と言うテーマを扱っているものの、きわどい描写は皆無であり、その手の話は苦手と言う方でも、映画の秀作として誰でも楽しめ、感動できる作品である。
今まで『韓国映画は苦手』と言う方もぜひこの作品は観て頂きたい。

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icon 近日公開作

 

 

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