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ブロークバック・マウンテン
ブロークバック・マウンテン − Brokeback Mountain

ブロークバック・マウンテン image

ジャンル:ドラマ、ラブ・ロマンス
監督 : アン・リー
出演 : ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール、ミシェル・ウィリアムズ
日本公開:2006年3月
制作国: アメリカ
評価:★★★★☆

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image ストーリー

グリーン・デスティニー』『ハルク』のアン・リー監督がワイオミング州ブロークバック・マウンテンの雄大な風景をバックに綴る、2人のカウボーイの20年にわたる秘められた禁断の愛の物語。
1963年、ワイオミング。
ブロークバック・マウンテンの農牧場に季節労働者として雇われ、運命の出逢いを果たした2人の青年、イニス( ヒース・レジャー)とジャック(ジェイク・ギレンホール)。
彼らは山でキャンプをしながら羊の放牧の管理を任される。
寡黙なイニスと天衣無縫なジャック。
対照的な2人は大自然の中で一緒の時間を過ごすうちに深い友情を築いていく。
そしていつしか2人の感情は、彼ら自身気づかぬうちに、友情を超えたものへと変わっていくのだったが…。

 
image 感想

昨今では、英国で市民パートナーシップ制度が導入され、同性愛者は結婚した男女が持つ権利の多くを得る事が出来るようになった。
世界的にも、同性愛者への容認度が時代の流れと共に高くなっており、彼らも以前のように差別に苦しむことも少なくなってきたのではないだろうか。ブロークバック・マウンテン

しかし、この物語の時代背景は現代社会のモラルとは程遠い『60年代アメリカの封建的な田舎』である。
もし、それが公になれば彼らは職を失うだけでなく、同性愛者を憎む多くの男達によって袋叩きになり、命を落とす可能性もあろう。

それ故彼らは、彼らが出合った場所ブロークン・マウンテンで秘密裏に愛し合うのである。
そこには、ジメジメしたものはなく、雄大で厳しい自然風景をバックに愛し合う彼らは、男女の愛よりもどこかすがすがしい。
映像では、彼らの行為を必要以上に描かずあっさり自然に描いているので、誰が観ても嫌悪感を催すことはまずない。

ブロークバック・マウンテン友情から心密かに芽生えた互いへの好感・・・。
しかし、もしジャック(ジェイク・ギレンホール)が積極的な性格でなかったら、二人が愛し合うきっかけとなった最初の一夜の出来事はなかっただろうし、互いに心のどこかに思いを秘め、友情と言う形で親交を深めて行ったことであろう。

ジャック(ジェイク・ギレンホール)に対してイニス( ヒース・レジャー)は寡黙な男である。
辛い生い立ち故、子供の頃から必然的に自己抑制を強いられてきた彼は、感情を表には容易には出さない。

彼らがブロークン・マウンテンでの最初の仕事を終え別れるとき、名残惜しそうなジャックに対して、イニスはそっけないほどあっさりとした別れの言葉を言い残しただけであった。
しかし、ジャックが去り一人になったとき、塀を拳で叩きむせび泣く彼を見て、 イニスのジャックへの深い愛を観客は初めて知ることであろう。

どんなに思っても、決して成就することなき愛なのである。
愛を優先にすれば、彼らは社会から完全に阻害され、生きていくことは出来ないであろう。ブロークバック・マウンテン
この映画はただ単に『同性愛』をテーマとしている映画ではなく、その背景には時代の社会性やモラルがあり、その根本には、『生きる』と言うテーマがあるように思えた。

その後互いに妻子を持ち健全な生活に戻るが、イニスの元にジャックから
『何度も出そうと思って出せなかった。出来たら返事が欲しい』
と言うはがきが届き、イニスが書いた返事がとても印象的であった。
それはたった一言、
『You bet』 (気にするな)
もし、女性なら『気にするな?たったこれだけ?!せめてその後一言ぐらいはあってもいいんじゃない?』と怒ってしまうところである。
しかし、彼らにはこの一言で十分通じ合うのである。
そんな一見淡白であるがさりげないやり取りは、男女間にはない、一種特有なストレートで素朴な簡素さがある様に思えた。
このはがきのやり取りによって、彼らの親交はその後長きに渡って続くのである。

ブロークン・マウンテンの美しい自然の中で愛し合う彼らは、一見彼らの行為がまるで健全なことのように思えてくる。
まるでアウトドアを楽しむがごとく、自然の中に一体化した彼らは美しい。
この映画の見所のひとつは、やはりこの大自然であろう。
アウトドアなど経験したことのない私ですら、彼らのように羊番をやって、こんな自然の中でひと夏過ごしてみたいと思ってしまったほどである。

イニスを演じるのは、『ROCK YOU!』(2001)で『これぞ理想の王子様像♪』と思うほど美しい中世の青年役を演じ、その後『チコレート』(2001)、『サハラに舞う羽』(2001)、『ブラザース・グリム』(2005)などの作品を経る毎にどんどん男っぽくなって来た、オーストラリア出身の俳優『ヒース・レジャー』である。
2006年オスカー主演男優賞にノミネートされ、残念なことに受賞を逃してしまったが、素晴らしい演技であった。
このイニスと言う役は、先に述べたように『感情を表に出さない性格』であり、実に演じるにも困難な役であると思う。
言葉少なく感情を表に出さずとも、彼の微妙な一挙一動で、観客には彼の心の動きが痛いほど伝わってくるのである。
まず声の出し方、じゃべり方がいつもの彼とは全く違い、いつものヒース・レジャーの面影はどこにもない。
この作品では、20才〜40歳台まで演じるが、実に自然に違和感なく演じていた。

そしてジャック演じるのが、サム・メンデス監督の話題作『シャーヘッド』(2005)で主役、『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』(2005)ではグイネス・パウトロウの相手役など、ハリウッドで躍進目覚ましいジェイク・ギレンホールである。
彼演じるジャックは、イニスとは正反対の性格で、素直に感情を表に出し、それ故傷つきやすい。
イニスの静に対して、ジャックは動であるのだ。
そんな素直で率直なジャックを好演していたと思うが、演じる側としては、ヒース・レジャーの演じるニースのほうが演技力の発揮できる役であるので、どうしても彼の演技と比較してしまうと、どうも分が悪い。

この映画の監督であるサム・メンデスは、ヒース・レジャーに『ジャックでもイニスでも好きなほうを演じてくれ』と言ったそうである。そして、ヒースが、イニスを選び、必然的に残ったジャック役はジェイクにと言う寸法らしい。

そしてイニスの妻を演じるのが『ミシェル・ウィリアムズ』であり、この作品がきっかけでヒース・レジャーと知り合い、婚約し、05年秋にはめでたく第一子となる女の子が誕生した。
ヒース・レジャーと言えば、あの『キング・コング』(2005)などで主演しているナオミ・ワッツとは結婚間近かと思われたが、その後別れ、ヘザー・ グラハム、そしてこのミッシェルウイリアムズであるが、こうして比較してみると、実に彼の女性に対しての好みがなんとわかりやすいことか!!
ブロンド、ベビーフェイスが3人の共通点である。
ナオミ・ワッツは、一見非常に若く見え、ヒースと同年代か年下と見間違うような風貌だが、実は彼より9歳も年上である。
そして、ヘザー・グレアムも同様ベビーフェイスだが、9歳年上なのである。
そしてミッシェルウイリアムズは、ヒースより1歳年下であるが、やはりバリバリのベビーフェイスである。

彼女もこの作品でヒースレジャーと同様アカデミー賞にノミネートされていた。
夫であるイニスと、彼の友人と思っていたジャックとの思わぬ激しいキスシーンを目撃してしまう妻。
動揺を内に秘め、無理に何事もなかったように装う彼女は、見ていて哀れであった。

先に述べたように、この作品は『同性愛』がテーマであっても、その根本にあるのは『生きる』と言うこと。
美しい自然をバックに繰り広げられる二人のカウボーイ達の愛に誰もが、切ない思いになることであろう。
『男同士の愛って、なんて美しいんだろう』とつくづく思える、いい作品であった。
『ホモ映画は見たくない』とかたくなに拒む潔癖な男性諸君、ぜひこの映画はそういう偏見は捨てて鑑賞して頂きたいと思う。

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