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映画
ミュンヘン − Munich

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ジャンル:ドラマ、実話
監督 : スティーヴン・スピルバーグ
出演 : エリック・バナ、 ダニエル・クレイグ、 ジェフリー・ラッシュ
日本公開:2005年2月公開 
制作国:アメリカ
評価:★★★★☆

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icon ストーリー
1972年9月5日、ミュンヘン・オリンピック開催中に、パレスチナゲリラ“ブラック・セプテンバー 黒い九月”によるイスラエル選手団襲撃事件が起こる。
人質となった選手11名は全員死亡。これに激怒したイスラエル機密情報機関“モサド”は、秘密裏に暗殺チームを編成、首謀者11名の殺害を企てる。
リーダーに任命されたアフナーは、仲間4人とともに殺害を実行していくが、次第に自分たちの任務に疑問を感じ始めていく
 
icon 感想

この作品は、パレスチナ問題を理解している人と、そうでない人では大きく評価が分かれることが予想される。
史実であるこの作品は、まるでドキュメンタリー映画のように物語が進行する。

その流れは、通常の娯楽映画のような派手な見せ場があるわけではなく、この映画の根源であるパレスチナ問題を理解していない者は、難しいとimage思うだろうし、退屈であろう。

反対に理解しているものには、ずしんと心に錘のように、のしかかってくる。
なぜならば、この映画には数々の問いかけがあり、それを自分で分析することを促しているからだ。

ミュンヘンでのイスラエル選手団襲撃事件から30年以上経った今も何もかわっていないし、永遠に解決の糸口のない終わりなき戦いであり、これから先彼らが存続する限り終結することは決してないのである。
映画を鑑賞後、ドラマの主人公アフナーと同様、むなしさ、やるせなさでいっぱいになってしまった。

image描き方としては、ユダヤ寄りの主張で描いているように見えるが、パレスチナ側の主張を表面ではさらりと受け流しているように見えて、その実ずっしりと双方の立場を考えさせられてしまう。
この点はさすがスピルバーグ監督だけのことはあり、実にさり気なく描き奥が深い。
これから殺害をしようとしているパレスチナ人と交わす言葉のやり取りで、その人物の善良性をさりげなく描き、観る者も暗殺者も、この任務の意義に疑問を抱かせてしまう。
パレスチナ人も自分達と同様愛する家族がいて、民族問題と言う背景がなければ、人間性に満ちたどこにでもいる平凡な人物なのである。
それ故、暗殺者であるユダヤ人アフナーは苦しむのであり、疑問を持つのである。

今から3千年前(BC1000年頃)、パレスチナはユダヤ人の土地だった
しかし、AD.1世紀、ユダヤ人はローマ帝国によってここを追い出され、その後2000年近くにわたって世界中を放浪し各地で迫害され続けてきた。
イスラエルと言う国は、ユダヤ人が永きに渡る放浪の末、念願かなって手にした領土であり、これを手放せば彼らは再び世界中に散り、祖国を持たない民に逆戻りになってしまう。
逆にその2000年の間、そこに定住していたパレスチナ人は、イスラエル建国によりユダヤ人と立場を逆にし、300万人近くが難民となり、200万人が陸の孤島のように分断された自治区に事実上閉じ込められ、不自由で貧しい生活を強いられているのが現状である。

ユダヤ人にとっては、2000年と言う時を経て、やっと手にした永住の地。image
そして、彼らがそこに国を建国することによって、追い出されたパレスチナ人。
手に入れたものは決して手放せないユダヤ人と、それを再び我が元へと願うパレスチナ人。
どちらの主張ももっともであるし、双方どちらを責めることもできない。

平和な日本には、国の存続の危機など誰一人として感じることはない。
しかし、ユダヤ人もパレスチナ人も、平和と言う言葉は、どちらかが倒れるまで永遠に願望でしかない。
この瞬間にも、世界のどこかで彼らの戦いは続いているのである。
平和の意義をつくづく考えさせられてしまう作品であった。

暗殺者のリーダーを演じる『エリック・バナ』は、ブラッド・ピット主演『トロイ』(2004)で、トロイのヘクトル王子を演じた俳優である。
暗殺者としての苦悩をキメ細やかに演じており、観ているものも彼の苦しみが直に伝わり、同様に重くのしかかってくるであろう。 実に繊細な演技ができる役者であり、この作品を機に、大きく飛躍していくことだろう。

貴方は『パレスチナ問題を理解しているか?』

NO=他の作品を鑑賞することをおすすめする。・・・この作品は『楽しむ為の作品では決してない』
もし鑑賞しても、 間違っても観た後に「つまらなかった」と言って、自分の無知ぶりを周囲に晒さないように。

Yes=ぜひ、鑑賞をして頂きたい。
出来れば同様に理解し、またはその問題に関心のある人と観る事をお勧めする。

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