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映画
リプリーズ・ゲーム − Ripley's Game

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ジャンル:ドラマ、サスペンス
監督:リリアーナ・カヴァーニ   音楽: エンニオ・モリコーネ
出演: ジョン・マルコヴィッチ、レイ・ウィンストン、ウヴィ・マンシャルツ
日本公開:公開未定
制作国: アメリカ/イギリス/イタリア
評価:★★★★

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icon ストーリー

前作から数十年後、リプリーは天才チエンバロリストの妻とイタリアの広大な敷地を持つ邸宅に住んでいた。
一見優雅で平穏な暮らしだが、彼には裏の顔があった。

数年前、美術品のディラーである彼は貴重な画家の素描を売る際、売値で口論となった彼は、相手のボディガードを殺害し、相手が用意した120万ドルに加え、売るはずだった絵も奪った。
奪った金は相棒のリーブスに全額渡し、素描はその何倍もの金額で売却したのだった。

それから数年後、突然リーブスが彼の元を訪ねてくる。
商売に邪魔なロシアンマフィアの一人の抹殺依頼に来たのだった。
しかし『自分は殺しのプロではないから』と断る。

そして、昨日のパーティの席で自分を屈辱したイギリス人ジョナサンを、その屈辱の復讐のために推薦する。
ジョナサンは額縁職人で、美しい妻と幼い息子とともにささやかながら幸せな家庭を築いていた。

しかし、ジョナサンは慢性の白血病で先は長くない。
彼の死後、残された妻と愛息を思うと、5万ドルと言う大金は殺人と言う大罪を犯しても欲しい。
彼は、意を決してその殺しの依頼を承諾することにした。

ジョナサンは知らない、これがリプリーの危険なゲームだと言う事を・・・。

 
icon 感想

このリプリーズ・ゲームは、退廃と官能性をテーマにした衝撃作『愛の嵐』リリアーナ・カバーニの監督作品であり、マット・デイモン主演の『リプリー』の数十年後を描いた作品である。
『愛の嵐』は私にとってベスト3に入る作品であり、この監督の作品で日本で観れるもにはすべて鑑賞した。
しかし、カバーニは近年映画から遠ざかり、TV映画中心であり、何年も彼女の作品を鑑賞する機会がなかった。
最後に彼女の作品を観たのが、1989年ミッキー・ローク主演の『フランチェスコ』だ。
あれから16年・・・待ちに待った新作である。

この映画でも彼女の卓越した審美眼は今だ健在であった。
イタリアを代表する名作曲家『エンニオ・モリコーネ 』の調べに乗せて描かれるこの作品は、 スピーディな展開、随所に見られる監督の美へのこだわり、ヨーロッパの伝統的な美がそこかしこに溢れている。


リプリー『太陽がいっぱい』のリメイクであり、アラン・ドロンが演じていた。
そして、リメイク作である『リプリー』マット・デュモンである。
その数十年後を舞台にしたこのこのリプリーズ・ゲームで同役を演じるのは、名優ジョン・マルコビッチ
マット・デュモンが、年を取ってジョン・マルコビッチ
前作を考えると、いささか疑問も付きまとうが、この作品を鑑賞すれば、彼以外のキャスティングはないと感じることであろう。

彼はヨーロッパの監督に非常に人気がある俳優である。
柔らかなイントネーション、ささやくようなその声は、まるで英語以外のヨーロッパ言語のようであり、ヨーロッパ映画の雰囲気にぴたりとはまってしまう。
彼はアメリカ人であっても、ヨーロッパ人に近い雰囲気を持つ数少ない米国の俳優であると思う。
アメリカ人やアメリカと言う国家が『動』であるなら、彼は『静』であり、ヨーロッパ諸国のイメージも同様である。

この作品では、若き日の『リプリー』が数十年の時を経て、ヨーロッパ的な洗礼されたエレガントさを身につけ、若き日は罪を犯すということに対してまだ心の迷いが感じられたが、今ではその面影さえない。
どんな窮地に立っても常に冷静で、理知的に物事を解決する。
殺人も必要不可欠とあらば、動じずそれを遂行する。
彼がこの世で怖い存在など全くないのである。
屈辱されれば、その仕返しに相手に罪を犯させるように仕向ける。
理知的な策略家であり、彼のようなタイプだけは死んでも敵に回したくないものだ。

物語はスリラーであり、テンポが良く、観客を全く飽きさせない。
そしてこの『リプリー』の行動が非常に興味深い。
非常に奇妙であり、突然切れたかと思うと次の瞬間は何事もなかったように平静に戻る。
殺人を犯すにも、彼の心配は『自分のはめている時計が破損しないか』であり、、また死体を焼却中、奥さんに花を贈る為花屋に電話をしたりと、常人には理解しがたい感情を持ち、そんな奇妙な人物をジョン・マルコビッチは巧に演じていた。
それも飛びっきり魅力的であり、悪人なのに何故か憎めない。

ラストの野外劇場で、チエンバロの響きに乗せ回想に耽るシーンは、幕締めに相応しい詩的な美しいシーンであった。

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